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    調査・報告

    連合調べ  スポットワークで働いている際に経験した 仕事上のトラブル  1位「仕事内容が求人情報と違った」 2位「業務に関して十分な指示や教育がなかった」

    スポットワークに関する調査2025

    情報通信技術の進展等により、短期間や単発の仕事を受発注する、いわゆる「スポットワーク(※)」「スキマバイト」等といった働き方が増加しています。

    そこで、日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:芳野 友子)は、スポットワークに関する実態を把握するために、「スポットワークに関する調査2025」をインターネットリサーチにより2024年12月2日~12月4日の3日間で実施、15歳以上のスポットワークで働いている人またはスポットワークで働いたことがある人1,000名の有効サンプルを集計しました(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)。

    ※この調査において、「スポットワーク」とは短時間・単発で雇用され働く就業形態を指します。


    [調査結果]

    ≪スポットワークの求人への応募について≫

    スポットワークで働こうと思った理由

     1位「生活のために収入を得たい」2位「空いている時間を有効活用したい」3位「賃金がすぐに受け取れる」


    15歳以上のスポットワークで働いている人またはスポットワークで働いたことがある人1,000名(全回答者)に、スポットワークの求人への応募について質問しました。


    まず、全回答者(1,000名)に、スポットワークで働こうと思った理由を聞いたところ、「生活のために収入を得たいから」(27.1%)が最も高くなり、「空いている時間を有効活用したいから」(24.5%)、「賃金がすぐに受け取れるから」(18.4%)、「自分に合う仕事か確認したいから」(14.7%)、「場所や時間にとらわれずに自由に働きたいから」(14.2%)が続きました。

    世代別にみると、10代では「面接などがなく簡単に働けるから」(18.0%)と「様々な仕事にチャレンジしたいから」(18.5%)、40代では「空いている時間を有効活用したいから」(30.5%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。



    利用しているスポットワークサービスの数 平均は1.6個、10代では1.9個


    全回答者(1,000名)に、スポットワークサービスをいくつ利用しているか(利用していたか)聞いたところ、「1個」は67.8%、「2個」は15.5%、「3個」は10.3%、「4個」は3.2%、「5個」は1.2%、「6個以上」は2.0%となり、スポットワークサービス利用数の平均は1.6個となりました。

    世代別にみると、スポットワークサービス利用数の平均は、10代1.9個、20代1.8個、30代1.7個、40代1.3個、50代以上1.4個と、若い世代ほど多くなる傾向がみられました。



    スポットワークの求人に応募する際の契約形態の確認状況

     「確認していない(していなかった)」が39.4%、50代以上では53.0%


    全回答者(1,000名)に、スポットワークの求人に応募する際に、「雇用契約」「業務委託契約」といった契約形態について確認しているか(していたか)聞いたところ、「確認している(していた)」は60.6%、「確認していない(していなかった)」は39.4%となりました。

    世代別にみると、「確認していない(していなかった)」と回答した人の割合は、上の世代ほど高くなる傾向がみられ、50代以上では53.0%と半数を超えました。


    スポットワークの求人に応募する際に、契約形態について確認している(していた)人(606名)に、スポットワークで応募している(していた)仕事の契約形態を聞いたところ、「雇用契約のみ」は59.2%、「雇用契約と業務委託契約の両方」は25.9%、「その他」は0.3%、「わからない」は14.5%となりました。



    ≪スポットワークでの働き方の実態について≫

    スポットワークで従事したことがある仕事の内容

     1位「倉庫作業員」2位「飲食店スタッフ」3位「イベントスタッフ」


    全回答者(1,000名)に、スポットワークで従事したことがある仕事の内容を聞いたところ、「倉庫作業員(梱包・ピッキング・仕分け・検品や搬出入作業など)」(27.5%)が最も高くなり、「飲食店スタッフ(ホール・キッチン・洗い場など)」(21.0%)、「イベントスタッフ(会場設営、チラシ配布、誘導など)」(17.2%)、「スーパー・コンビニ店員(品出し、接客、レジ業務など)」(16.5%)、「オフィスワークスタッフ(データ入力、電話対応など)」(13.0%)が続きました。

    世代別にみると、10代では「飲食店スタッフ(ホール・キッチン・洗い場など)」(34.5%)が最も高く、次いで「スーパー・コンビニ店員(品出し、接客、レジ業務など)」(26.0%)となりました。また、20代では「配送スタッフ(フードデリバリーや荷物配達など)」(16.5%)、30代では「倉庫作業員(梱包・ピッキング・仕分け・検品や搬出入作業など)」(33.5%)と「医療機関スタッフ(医師、看護師、医療事務など)」(17.0%)がそれぞれ全体と比べて5ポイント以上高くなりました。



    スポットワークを行う頻度 「週に1回以上」は37.1%


    全回答者(1,000名)に、どのくらいの頻度でスポットワークを行っているか(行っていたか)聞いたところ、「月に1回以下」が42.7%と最も高くなり、「月に2~3回程度」は20.2%、「週に1回程度」は15.1%、「週に2~3回程度」は11.9%、「週に4~5回程度」は6.7%、「ほぼ毎日」は3.4%でした。また、『週1日以上(計)(※)』は37.1%でした。

    世代別にみると、「月に1回以下」と回答した人の割合は、40代(55.0%)と50代以上(57.5%)では半数を超えました。また、『週1日以上(計)』と回答した人の割合は10代(44.5%)と20代(41.5%)で高くなりました。

    スポットワークサービス利用数別にみると、『週1日以上(計)』と回答した人の割合は、スポットワークサービスを2つ利用している人では47.1%、3つ利用している人では71.8%、4つ以上利用している人では86.1%となり、利用しているスポットワークサービス数が多い人ほど、スポットワークを行う頻度も高いことがうかがえる結果となりました。

    ※「週に1回程度」「週に2~3回程度」「週に4~5回程度」「ほぼ毎日」の合計



    一度のスポットワークにおける労働時間 平均は3.5時間

    1日に複数のスポットワークで働く場合の労働時間 平均は4.9時間

     「8時間以上」は15.3%で、利用するサービス数が多いほど長時間労働の傾向

    スポットワークの収入 平均は2.8万円/月


    全回答者(1,000名)に、一度のスポットワークでは、どのくらいの時間働くことが多いか(多かったか)聞いたところ、「1時間未満」(18.8%)や「3時間~4時間未満」(16.8%)、「2時間~3時間未満」(15.9%)との回答が多くなり、平均は3.5時間となりました。



    また、同じ日に複数のスポットワークを行ったことがあるか聞いたところ、行ったことがある人の割合は24.8%となりました。

    男女別にみると、行ったことがある人の割合は、女性20.2%、男性29.4%と、女性と比べて男性のほうが9.2ポイント高くなりました。

    世代別にみると、行ったことがある人の割合は10代47.0%、20代28.0%、30代25.5%、40代14.0%、50代以上9.5%と、若い世代ほど高くなりました。



    同じ日に「複数のスポットワーク」または「本業とスポットワーク」を行ったことがある人(476名)に、同じ日に複数の仕事(「複数のスポットワーク」または「本業とスポットワーク」)を行う(行った)際、合計でどのくらいの時間働くことが多いか(多かったか)聞いたところ、「3時間未満」(27.1%)や「3時間~4時間未満」(19.3%)、「4時間~5時間未満」(14.7%)、「5時間~6時間未満」(10.7%)、「6時間~7時間未満」(8.0%)との回答が多くなり、平均は4.9時間でした。また、『8時間以上(計)(※)』は15.3%でした。

    ※「8時間~9時間未満」「9時間~10時間未満」「10時間~11時間未満」「11時間~12時間未満」「12時間以上」の合計


    複数の仕事を行った際の労働時間数について、スポットワークサービス利用数別にみると、平均は、スポットワークサービスを1つ利用している人では4.6時間、2つ利用している人では4.8時間、3つ利用している人では5.2時間、4つ以上利用している人では6.2時間と、スポットワークサービス利用数が多いほど長くなる傾向がみられました。4つ以上利用している人のうち12時間以上働くと回答する人は13.0%と、他と比較して高い結果となりました。



    スポットワークにおいて、1ヶ月平均でどの程度収入を得ているか(得ていたか)聞いたところ、「5千円未満」(22.6%)、「5千円~1万円未満」(15.6%)、「1万円~2万円未満」(15.0%)などの回答が多くなり、平均は2.8万円でした。



    ≪スポットワークに関する説明について≫

    スポットワークで働く際、就業先から「業務内容」について説明を受けたことがない 24.5%

    「働く上での怪我や事故防止」について説明を受けたことがない 34.4%


    スポットワークの業務や労働条件などに関する、就業先からの説明について質問しました。


    全回答者(1,000名)に、スポットワークで働く際、就業先からスポットワークの業務や労働条件などに関する説明を受けたか聞いたところ、【「業務内容」に関する説明】では、「どの就業先でも説明を受けた」が49.1%となり、他方で「説明を受けたことがない」は24.5%でした。

    「説明を受けたことがない」に着目すると、【賃金や労働時間、手当、就業場所などの「労働条件」に関する説明】では26.5%、【「業務を進める上での具体的な指示や使用器具等」に関する説明】では28.0%でした。【「働く上での怪我や事故防止」に関する説明】では34.4%となり、他の項目より高い結果となりました。



    「働く上での怪我や事故防止」についての説明を理解できなかった人は5人に1人

     そもそも「説明されていない」人と合わせると、全体の約半数の労働者が説明不足の状況に

     

    就業先から「業務内容」に関する説明を受けたことがある人(※)(755名)に、説明を理解することができたか聞いたところ、「十分理解できた」が36.8%、「ある程度理解できた」が48.7%で、合計した『理解できた(計)』は85.6%、「全く理解できなかった」が2.1%、「あまり理解できなかった」が12.3%で、合計した『理解できなかった(計)』は14.4%となりました。

    就業先から賃金や労働時間、手当、就業場所などの「労働条件」に関する説明を受けたことがある人(735名)に、説明を理解できたか聞いたところ、『理解できた(計)』は86.4%、『理解できなかった(計)』は13.6%でした。

    就業先から「業務を進める上での具体的な指示や使用器具等」に関する説明を受けたことがある人(720名)に、説明を理解できたか聞いたところ、『理解できた(計)』は87.8%、『理解できなかった(計)』は12.2%でした。

    就業先から「働く上での怪我や事故防止」に関する説明を受けたことがある人(656名)に説明を理解できたか聞いたところ、『理解できた(計)』は79.9%、『理解できなかった(計)』は20.1%となり、「理解できなかった人」の割合は他の項目より高くなりました。前の設問の「説明を受けたことがない」と「理解できなかった(計)」を合わせると47.6%となり、約半数の労働者が説明不足の状況にあることがうかがえます。

    ※「どの就業先でも説明を受けた」「いくつかの就業先では説明を受けたが、説明を受けなかった就業先もあった」の合計



    スポットワークで働く際に、就業先から「働く上での怪我や事故防止」に関する説明を受けたことがある人(656名)に、説明形式を聞いたところ、「就業先の担当者から説明があった」は64.3%、「就業先において動画等を視聴した」は31.4%、「パンフレット等の資料を配布されたのみで、特に説明はなかった」は11.6%でした。



    どの就業先でも「労働条件通知書」が交付されている人は30.9%にとどまる

    「スポットワークと正社員などでは受けられる失業給付や厚生年金などに違いがあることを知らない」労働者は全体の32.1%


    全回答者(1,000名)に、スポットワークで働く際、就業先から労働条件通知書が交付されたか聞いたところ、「どの就業先でも交付された」は30.9%、「いくつかの就業先では交付されたが、交付されない就業先もあった」は31.0%となりました。他方、「交付されたことはない」は14.0%と、労働条件通知書を受け取っていない状態で就業しているケースも見られました。また、「わからない」も24.1%と高くなりました。



    また、スポットワークと正社員などで長く働いている場合とで、受けられる国の保障(失業給付や厚生年金など)に違いがあることを知っているか聞いたところ、「知っている」は30.1%、「なんとなく知っている」は37.8%で、合計した『知っている(計)』は67.9%となりました。また、「知らない」は32.1%でした。

    男女別にみると、『知っている(計)』と回答した人の割合は、男性では73.0%と、女性(62.8%)と比べて10.2ポイント高くなりました。

    世代別にみると、『知っている(計)』と回答した人の割合は若い世代ほど高い傾向がみられ、10代では77.5%、50代以上では56.5%でした。



    ≪スポットワークでのトラブル経験について≫

    「スポットワークで働いている際に仕事上のトラブルを経験した」46.8%

    スポットワークで働いている際に経験した仕事上のトラブル

     1位「仕事内容が求人情報と違った」2位「業務に関して十分な指示や教育がなかった」

    スポットワークで経験した仕事上のトラブルを相談した相手 1位「労働組合やNPOなどの相談窓口」


    全回答者(1,000名)に、スポットワークで働いている際に仕事上のトラブルを経験することはあるか(あったか)聞いたところ、「トラブルを経験している(経験した)」は46.8%、「トラブルを経験していない(経験しなかった)」は53.2%と、半数近くの人にトラブル経験があることが明らかになりました。



    スポットワークで働いている際に仕事上のトラブルを経験した人(468名)に、その内容を聞いたところ、「仕事内容が求人情報と違った」(19.2%)が最も高くなりました。次いで高くなったのは、「業務に関して十分な指示や教育がなかった」(17.7%)、「一方的にスポットワークサービスの利用を停止・制限された」(16.9%)、「労働条件(賃金や労働時間等)が求人情報と違った」(16.5%)、「同じ職場の他の労働者と労働条件が違う」(16.0%)でした。

    世代別にみると、20代と30代では「一方的にスポットワークサービスの利用を停止・制限された」(順に17.9%、24.1%)、40代では「業務に関して十分な指示や教育がなかった」(22.4%)が1位でした。



    スポットワークで働いている際に仕事上のトラブルを経験した人(468名)に、仕事上のトラブルを経験した際、誰に相談をしたか聞いたところ、「労働組合やNPOなどの相談窓口」(22.4%)が最も高くなり、「家族や友人」(22.0%)、「スポットワークアプリ事業者」(21.8%)、「就業先の相談窓口や社員」(20.7%)が続きました。また、「誰にも相談しなかった」は19.2%でした。

    男女別にみると、女性では「家族や友人」(29.0%)が1位となりました。また、「誰にも相談しなかった」は女性では23.0%と、男性(16.4%)と比べて6.6ポイント高くなりました。

    世代別にみると、「誰にも相談しなかった」は上の世代ほど高い傾向がみられ、40代では34.3%、50代以上では39.3%でした。



    スポットワークでの仕事上のトラブルを誰にも相談しなかった理由

     1位「その日限りの仕事だったので、我慢すれば良いと思った」


    スポットワークにおける仕事上のトラブルを相談した人(378名)に、トラブルを相談したことで、そのトラブルは解決したか聞いたところ、「全て解決した」は32.0%、「一部解決した」は51.3%で、合計した『解決した(計)』は83.3%となりました。また、「全く解決しなかった」は16.7%でした。



    スポットワークにおける仕事上のトラブルを誰にも相談しなかった人(90名)に、相談しなかった理由を聞いたところ、「その日限りの仕事だったので、我慢すれば良いと思った」(30.0%)が最も高くなり、「相談するほどのトラブルではなかった」(28.9%)、「相談先がわからなかった」(26.7%)、「相談するのが面倒だった」(23.3%)、「相談することで、今後の仕事に影響すると思った」(8.9%)が続きました。



    ≪スポットワークの就業環境について≫

    スポットワークの就業環境について必要だと感じること

     1位「業務内容についての十分な説明」2位「就業条件の向上」、

     10代では「悪質求人を排除するルールの整備」が22.5%


    最後に、全回答者(1,000名)に、スポットワークの就業環境について、どのようなことが必要だと感じるか聞いたところ、「業務内容についての十分な説明」(19.1%)が最も高くなりました。短期間の単発的な仕事だとしても、丁寧な説明を望む人が多いことがうかがえます。次いで高くなったのは、「就業条件(賃金など)の向上」(18.3%)、「嫌がらせやハラスメントに対する就業先の通報窓口の整備や周知」(17.9%)、「突然仕事がキャンセルになった時の賃金保障」(17.4%)、「悪質求人を排除するルールの整備(犯罪・法違反に関する求人の排除など)」(16.1%)でした。

    世代別にみると、10代では「就業条件(賃金など)の向上」(23.5%)や「嫌がらせやハラスメントに対する就業先の通報窓口の整備や周知」(25.5%)、「悪質求人を排除するルールの整備(犯罪・法違反に関する求人の排除など)」(22.5%)、「制服の着替え時間や仕事内容の説明時間分の賃金の支払い」(21.0%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。50代以上では「業務内容についての十分な説明」(25.0%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。

    スポットワークサービス利用数別にみると、就業環境について「必要なことがある」と考えている人の割合は、スポットワークサービス利用数が1つの人では61.1%だったのに対し、2つ以上の人ではいずれも9割以上(2つ90.3%、3つ90.3%、4つ以上93.7%)となりました。スポットワークサービスを複数利用している人の多くが、スポットワークの就業環境に関する課題を実感していることがうかがえます。




    ■調査概要■

    調査タイトル:スポットワークに関する調査2025

    調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする15歳以上のスポットワークで働いている人またはスポットワークで働いたことがある人

    調査期間:2024年12月2日~12月4日

    調査方法:インターネット調査

    調査地域:全国

    有効回答数:1,000サンプル

    実施機関:ネットエイジア株式会社

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