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5G活用による救急現場の映像・心電図を病院にリアルタイム伝送する実証およびデジタル聴診器を活用した遠隔診療の実証に成功

～愛知県刈谷市で、ICTを活用した医療・福祉体制の充実に取り組む～

2023年3月22日 14:00

NTTコミュニケーションズ株式会社

　NTTコミュニケーションズ株式会社 (以下 NTT Com)は、愛知県刈谷市において救急現場の映像を、5Ｇを活用して病院に伝送するフィールド実証と、訪問看護時の映像や心音データを病院に伝送するフィールド実証に成功しました。

　本実証はNTT Comが愛知県から受託した愛知県「スマートシティモデル事業」の「刈谷スマートウェルネスプロジェクト」の一環として、刈谷市の協力のもと実施したものです。

1. 背景

　刈谷市では、必要な人が必要な医療や介護を適切に安心して受けられる地域医療福祉体制の充実が重要な課題となっています。そこで、医療・福祉体制の充実や、医療・福祉現場の負担軽減をめざし、5Gやスマートデバイスを活用した遠隔診療のフィールド実証を行いました。

2. フィールド実証の概要と検証結果

　刈谷市の地域医療の中核的な役割を担う刈谷豊田総合病院や、系列病院の訪問看護ステーションなどで、2022年11月1日から2023年1月31日に、下記2つのフィールド実証を行いました。

[1] 5Gを活用し救急現場の映像を病院に伝送する実証

　医師が乗車し救急現場に駆け付ける「ドクターカー」出動時に、5Ｇを活用して救急現場の映像をリアルタイムに病院へ伝送する実証を行いました。

　救急現場では、医師とドクターカーの運転手が、現場の俯瞰映像や患者の病状をスマートフォンで撮影し、刈谷豊田総合病院に5Ｇを介して伝送しました。病院では、ICUと救急外来の医師が患者の病状と心電図をリアルタイムに確認し、音声で治療方針に関する指示を出しました。

　映像を基にした病状の伝達は情報量が多いため、現場と病院間での迅速な治療方針の共有や、病院における治療準備の早期化が可能であることを確認しました。また、通信においては、既存の基地局を利用でき、ドクターカーが５GエリアとLTEエリアをまたいで走行しても問題なく映像伝送できることを確認しました。

　実証した技術が医療現場に導入されると、現場の医師と病院が連携して重症者を早期に処置することができ、救命率の向上につながることが期待されます。

＜実証関係者＞

刈谷市、医療法人豊田会、NTT Com

＜NTT Comの役割＞

実証の全体統括、映像伝送システムおよび機器・通信回線の提供

実証の様子

病院側のPC画面

[2] デジタル聴診器やタブレットを活用した遠隔診療の実証

　デジタル聴診器やタブレット端末を活用した遠隔診療の実証を行いました。

　看護師が、患者宅でデジタル聴診器を活用して心音や呼吸を計測し、タブレットのブラウザから遠隔診療システムを活用して、病院に滞在している医師に伝送することで、医師がパソコン越しに心音や呼吸を確認しながら診察をしました。その結果、訪問診察と同等の精度で診察ができることを確認できました。デジタル聴診の映像と音声は録画が可能なため、リアルタイムな医師の診察が難しい場合も、医師に訪問時の患者の状態を共有することが可能となります。

　実証した技術が医療現場に導入されると、医師の移動時間を削減することが可能になるほか、医師の対応可能な患者数が増えることで、地域の医療提供体制の強化につながります。また、高齢者以外にも、重度の在宅小児患者を対象とした遠隔診療への活用が期待できます。

＜実証関係者＞

刈谷市、医療法人豊田会、NTT Com、西日本電信電話株式会社、

NTTビジネスソリューションズ株式会社、パラマウントベッド株式会社

＜NTT Comの役割＞

実証の全体統括、遠隔診療システムおよび機器・通信回線の提供

実証の様子